新生児黄疸と光線療法

【新生児黄疸】
赤ちゃんはママのおなかの中にいるとき、胎盤を通してママから酸素をもらっています。このもらい方は呼吸による酸素補給より効率が悪いため、赤ちゃんは赤血球を多くすることで対応しています。
生まれたての赤ちゃんは、赤血球が多く皮膚が赤く見えるので「赤ちゃん」と言われています。生まれたあとは、自分で呼吸し十分な酸素を供給できるので、多くの赤血球は壊れます。この壊れた赤血球が代謝される過程で、多くのビリルビンが作られます。このビリルビンが黄疸の正体です。これは生まれてから1週間ぐらい多くなり、その後は徐々に減少します。特に治療の必要がない時は生理的黄疸と呼んでいます。このビリルビンは血液の中ではアルブミンという物質と結合しており、脳には行きません。しかし、ビリルビンが多くなると、アルブミンと結合していない分子量の少ないフリーのビリルビンが脳に到達します。これが脳に沈着すると核黄疸(かくおうだん)と言われ、脳性麻痺の原因になるのです。これを予防するには、生まれたての赤ちゃんは黄疸の程度をチェックして、ビリルビンが多いときは光線療法や交換輸血をします。母乳はこのビリルビンの代謝を遅らせるため、母乳栄養児は1か月を過ぎても黄疸があります。これを母乳性黄疸と言います。ただしこの黄疸は脳に後遺症を残しません。

【光線療法】
治療は光線療法といって、青色の光を出すシートの上に、 裸にした赤ちゃんを(目は保護用マスクで覆って)寝かせます。副作用はなく、安全な治療法です。青色の光は皮膚のビリルビンを分解し、黄疸を軽減します。
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